マンション専門な訳 ~実家編~

6年近く前、私の母は認知症になり
それがキッカケで週3回の実家通いが約3年半続きました。

その頃の実家は、1階で暮らして2階はほぼ荷物部屋。
介助・介護しながら、その時出来る父母の暮らしを組み立てます。
今の生活を優先し、暮らしの妨げになることは取り除く
日々の負担を減らす為に整理が始まりました。

 

まずは私と姉の荷物はそれぞれが整理し持ち帰るなり処分する。
使っていた家具で、古くなり不要なモノは引き取ってもらったり
何回かに分けて粗大ごみとして処分する。

 

一番困ったのは
◇着物に帯
◇宝飾品
◇絵・器
◇趣味の道具(花器)
◇絵画全集にクラシックのCD

普段使わない・着ていない
「特別なもの」「よくわからないモノ」
が鎮座していました。

 

コレは何なのか?
買ったのか?いくらだったのか?
譲られたのか?贈られたのか?
誰からなのか?
どこのどういうモノなのか?
本物?安物?
ここプラチナの印あるから本物かな!?
器や着物、帯などはサッパリ分からん!

 

昔から吹き抜けの階段にかかっていた絵は
サーカスモチーフなのにモノトーンで不気味。
この絵のせいで夜トイレに行くのに躊躇した記憶があります。

思春期に「気味悪い!この絵」と母に言ったら
画廊だか?百貨店の展示イベントで買ったらしく
「や~ね~安くはなかったのよ」と母は言っていた。
「それなりの金額を出して、なぜ気味悪い絵を選ぶ?」と
母の言葉を聞いて、更に謎に思ったこともセットで覚えています。

 

2階以外にも裏庭や物置の片付け。
壊れて使えないモノがあちこちに・・・
不燃物や粗大ごみで処分すればいいのに面倒だったのか置きっ放し。
認知症の母本人に聞いてもイマイチはっきりした答えは返ってこない・・・
オイオイ!退職して散々時間はあっただろう。
買いまくるばかりで何一つ整理していなかった母に呆れました。

 

今、荷物はもうありません。
そして実家もありません。
なんだか寂しい気もします。
家が無くなったというよりも「人生の終い方」についてです。
あれだけ時間があったのだから
もっと向き合っていれば、整理する時間を設けていれば
もっと違った終い方が出来たかもしれない。
母の為であり、家族の為になる「終い方」があったかもしれない。

 

手元に来た由来や話を聞いたうえで譲られていたらどうだったかな。
母がこのモノをどうして欲しかったのか?
大切に使って欲しいのか、この価値が分かる人に譲りたいのか
それはもうい要らないから査定して買い取ってもらって構わない!なのか?
なにも分からない。

 

今、あの「気味悪い絵」は私の手元にあります。
この絵の良さが分かる年齢が来るのか?と残してありますが
今たまに見ても「好き」とは思えません・・・
それでも実家を思い出す品となったこの絵。
「どうしたもんか?」「額装を替えるか?」と思案中。
引き取ったからには、今の所有者の私が考えて
いずれ答えを出そうと思っています。

 

介護をして母達をみて思いました。
ライフステージが変わる時が必ず訪れます。
以前なら難なく出来た事が出来なくなります(庭の管理・日々の掃除)
死別、病気や介護、同居、施設への入居

その時に間に合うように整理をして欲しい。
残された(遺された)モノを家族が整理をするのは迷います。
後悔したくないとも思う、戸惑って難しい作業になります。
元気なうちに、時間があるうちに
ご自分のモノを整理して「ご自分なりの終い方」を探してみてください。

 

これからマンションライフを選ぶシニアの方、また今マンション暮らしでモノの整理が上手く
進まないシニアの方へサポートをしたいと思っています。

これからの暮らしを視野に入れてシンプルにする。
満足度も損なわない暮らしのダウンサイジングを考えましょう。

これからの暮らしが楽に楽しくなるように
一緒に片付けはじめませんか。